はじめに

最近、「グルテンフリー」という言葉をよく聞くようになりましたよね。
パンやパスタ、お菓子などに入っている「グルテン」を食べると体調が悪くなる人がいる、という話を耳にしたことがあるかもしれません。
そうした人の中には、「グルテン過敏症(グルテンに敏感な体質)」と呼ばれるタイプの方もいます。
今回は、この「グルテン過敏症」について、できるだけやさしく説明していきます。
グルテンってなに?
グルテンは、小麦や大麦、ライ麦などに含まれるタンパク質の一種です。
パンがふっくら膨らんだり、もちっとした食感になるのはグルテンのおかげなんです。
つまり、グルテンは“パンやうどんをおいしくする成分”とも言えますね。
ただし、人によってはこのグルテンをうまく消化できなかったり、体が「合わない」と感じて不調を起こすことがあります。
それが「グルテン過敏症」です。
グルテン過敏症ってどんな状態?
グルテン過敏症は、グルテンを食べたあとにお腹の調子が悪くなったり、体が重く感じたりするけれど、
「セリアック病(自己免疫の病気)」や「小麦アレルギー」ではない人のことを指します。
英語では「Non-Celiac Gluten Sensitivity(NCGS)」と呼ばれています。
医学的にはまだはっきりと原因が分かっていない部分も多いですが、
食べたあとに不調が出て、グルテンを控えると良くなる――そんな人たちがいるのは確かです。
よくある症状
グルテン過敏症の人が感じやすい症状には、次のようなものがあります。
- お腹の張りやガスがたまる
- 腹痛や下痢、便秘
- なんとなく体がだるい・疲れやすい
- 頭がぼんやりする(いわゆる“ブレインフォグ”)
- 頭痛や関節の痛み
- 肌のかゆみや湿疹
ただし、症状の出方は人によってバラバラです。
体の調子や食べる量、ストレスなどでも変わることがあります。
セリアック病や小麦アレルギーとの違い
「グルテンで具合が悪くなる」という点では似ていますが、
実は「セリアック病」「小麦アレルギー」「グルテン過敏症」は全く別の仕組みです。
- セリアック病:グルテンに反応して免疫が小腸を傷つけてしまう病気。血液検査で抗体が分かることがあります。
- 小麦アレルギー:小麦のたんぱく質に対するアレルギー反応。蕁麻疹や呼吸困難を起こすこともあります。
- グルテン過敏症:アレルギーや自己免疫ではないけれど、グルテンを食べると不調になるタイプ。
つまり、グルテン過敏症は「検査では異常が出ないけど、体がつらい」というグレーゾーンのような存在です。
なぜ起こるの?
実は、グルテン過敏症の原因はまだ完全には分かっていません。
研究ではいくつかの仮説があり、
- グルテンそのものに体が反応している
- グルテンと一緒に含まれる「フルクタン(FODMAPの一種)」などの炭水化物に反応している
- 腸内細菌のバランスが影響している
- ストレスや睡眠不足などが関係している
つまり、「原因はひとつではない」というのが今のところの見解です。
どうやって分かるの?
グルテン過敏症は、はっきり分かる検査がまだありません。
そのため、医師のもとで「他の病気ではないか」を調べていくことが大切です。
- まずは、血液検査などで「セリアック病」や「小麦アレルギー」を調べる
- それらが否定されたら、食事と症状の関係を記録して確認する
- 医師の指導のもとで、グルテンを減らしたり再び食べてみたりして、体調の変化を見る
自分で判断して急にグルテンをやめてしまうと、検査で正しい結果が出にくくなることもあるので、
まずは医療機関で相談するのがおすすめです。
食事の工夫と気をつけたいこと

グルテン過敏症の疑いがあるとき、食事で気をつけたいポイントを紹介します。
ただし、これはあくまで一般的な情報です。自己判断で極端な食事制限を続けるのは避けましょう。
- パン、パスタ、うどん、ケーキ、クッキーなどはグルテンを含むことが多い
- お醤油や調味料の一部にも小麦が使われていることがあります
- 「グルテンフリー」と表示されている食品を選ぶときは、原材料表示をよく確認する
- 同じ調理器具を使うときに混ざらないよう注意(クロスコンタミネーション)
最近は、米粉パンやグルテンフリーパスタなども手に入りやすくなっています。
ただし、栄養バランスが偏らないよう、専門家のアドバイスを受けるのが安心です。
病院に行ったほうがいいとき
こんなときは、一度病院に相談するのがおすすめです。
- パンや麺を食べると毎回お腹の調子が悪くなる
- 原因不明の下痢・腹痛・倦怠感が続いている
- 自己判断でグルテンを抜いたけれど、体調がよくならない
消化器内科やアレルギー外来では、血液検査や問診をもとに原因を調べてもらえます。
自分で無理に我慢したり、極端に食事を制限する前に、一度相談してみてくださいね。
まとめ
- グルテンは小麦などに含まれるタンパク質で、パンや麺の食感を作る成分。
- グルテン過敏症は「検査では異常がないけど、グルテンで体調が悪くなる」状態。
- 原因ははっきりしていないが、腸内環境や食生活が関係している可能性も。
- 自己判断で除去食を始める前に、医療機関で相談するのが大切。
- グルテンフリー食品を上手に取り入れながら、バランスの良い食事を心がけよう。
※この内容は一般的な健康情報の紹介です。体調に不安がある場合は、必ず医師や専門家にご相談ください。

